月の骨



「お前の仕事もひと段落してるしさ、まぁ暇つぶしと思ってやってくれ。」

「なんだよ、これ。」

 山城はにやにやと薄気味悪い笑みを浮かべて言った。


「新発見の小惑星の軌道計算。」

「はぁ?」


 それは正直、僕らの会社で請け負えるもでは無かった。


 技術的な問題ではなく、一介の企業が参入できる分野ではない、という意味で。