月の骨




 多分、酔っぱらっている山城に、これ以上の思考能力はない。


 深読みされる心配はないはず。

 しかしながら、不安要素はある。


 久しぶりの対面で、確かに忘れたと言っていたこいつは、やっぱりちゃんと、あの時のことを覚えているのだ。


 僕は、注意しなければならない。



 仕留める相手が大きいからこそ、細心の注意を払わなければならないのは当然のことだ。