月の骨



「何がおかしい?」


 斎藤は明らかに苛立っていた。でも、僕は気にせず、笑い、そして言った。

「今までね、僕は星を探していました。

 隕石でも、小惑星でもなんでもいい。

 あなたの上に落ちてくるように、それだけを願って、夜空を見ていた。」



「それがどうした!?」

 僕の気分は久しぶりに良くなっていた。このところ、ずっと塞ぎ込んでばかりいたのに。まるで、難しい物理の問題が解けたみたいに、気分が高揚していた。



 最高にいい。