それから僕は山城と向き合ってソファに座った。彼の用件はただ一つだった。


「戻ってきてくれ。」


 それは、あの仕事に戻れという懇願だった。二か月前だったか、彼が電話で言っていた口調とは全く別物だった。今の山城の言葉は焦燥感に満ちている。


「頼む。」

 彼は黙って頭を下げた。

「意味がわからない。」

 僕は言った。

「もうあのプロジェクトは成功したんだろ?」