桜の花びらの中に、白いビラが舞う不思議な光景の中。

 僕の目は、朔夜をとらえていた。

 大学の、サークル勧誘が盛んな中庭に面したサークル棟の外階段。その階段の踊り場で派手に転んでた彼女の姿を。



 その時の朔夜は白いワンピースで、その裾は白い太ももまでまくれあがっていて、僕の視線は色んな意味で釘付けになった。

「いたた…。」

 朔夜は、頭を打ったようで、踊り場にぺたんと座り込んで後頭部をさすっていた。

「だ、大丈夫ですか?」

 僕は自然と、朔夜のもとに駆け寄っていた。足元に散らばったビラを出来る限り集めて。