月の骨




「お前に悪いと思っているのは、
お前がまた復讐に走るだろうってわかっていて、この計画に引きずり込んだことだ。」



 山城はまっすぐ僕をみて言った。


 なんだ、バレてたのか。


 そう思ったら、なんだか身体中の力が抜けた。



「お前はまた、探査機を斎藤の真上に落とすと思っていた。

でも、トラブルを解決できるのもお前だけだと思った。


だから、利用した。すまん。」


 山城は、僕に向かって頭を下げた。


 この背が高い男は、バカが付くほどお人好しだと思った。