月の骨



 山城が研究室に入ると、眠っていた研究員を起こし、仮眠室にいくように指示した。


 室内には、僕と山城だけが残された。


 彼は研究員が座っていた椅子を手に取り、僕の前に置いて座った。

それから、おもむろに手を伸ばし、


「これ、食っていいか?」


と、机の菓子パンを食べ始めた。