月の骨



「……悪いな。俺の話、全部嘘。」


 山城が力なく笑う。


 僕はその事がうまく理解できず、目の前の山城に焦点を合わせるだけで必死だった。


 指先だけでなく、膝も震えていた。



「探査機は全て正常に作動している。つまり……。」



 山城が言葉を区切る。



 その先は、聞きたくない。耳を塞いでしまいたかった。



 それでも、彼の言葉は空気を震わせ僕の耳に届く。