月の骨





 それなのに。



「……なんでだ!?」



 何度キーボードを叩いても、探査機は僕のアクセスコードを受け付けない。



 それどころか。





「……悪いけど、探査機はまだ月面にいるんだ。」


「!?」


 振り返ると、と頭を押さえながら壁づたいに立ち上がる山城がいた。