月の骨




「うおっ!!」


 僕は山城の下半身目掛けて飛び込んだ。長身の山城は、足元を掬われたようにあっさりバランスを崩して、床に転倒する。



 腰と頭を激しく床に打ち付けた様だ。


「……うぅ。」


 痛みをこらえ、山城が呻く。



 僕は床に転がった携帯電話を取り上げ、電源を切って部屋の隅に向かって投げた。


 携帯電話は壁にぶつかり、嫌な音をたてて床に落ちた。