フロアはしんと静まり返り、誘導灯の灯りだけがぼんやり光っている。本当に、静かだ。 歩きながら、なおも山城は続ける。 「探査機は地球へ向かっているが、地球からのコントロールができない。つまり……。」 山城の言葉を、僕が引き継ぐ。 「落下地点がずれる、あるいは大気に跳ね返されて宇宙の彼方へ飛び出す。」 「今の状態だと、後者の可能性が高いな。」 「……帰還失敗か。」 僕は呟く。