職場から機構の研究所へ向かう間、山城は終始無言で、僕はそのことに安堵した。 彼は眉間に皺を寄せ、難しい顔をしている。 やがて車は研究所へたどり着き、職員用の地下駐車場ゲートへと進んでいった。 山城が入館パスをゲートのカメラにかざすと、自動で目の前のバーが上がった。 それから、駐車場を半周して山城は適当な位置に車を止めた。駐車場は意外と空いている。