歩道を歩いていた僕らに自動車が突っ込んできて、朔夜は跳ね飛ばされた。 彼女の華奢な体は、青空に吸い込まれるように舞い上がり、それから、重力に導かれて地面に落ちた。 即死だった。 隣にいた僕は無傷で生きているのに、朔夜は、それで死んでしまった。 以来、僕は彼女が欠けた世界で生きている。