鍵盤ハーモニカの演奏が始まり、ハッと意識が戻る。 目の前でサクラちゃんが一生懸命口を尖らせながら弾いている。 たまに視線が手元から俺たちの方に向くと、手元を止めて手を振ってみたり。 「...サクラったら、手なんか振って...」 そう言いながら、隣に座る由美ちゃんがクスクス笑うのをぼんやり見つめてしまう。 離れ離れになっても・・・ 俺は・・・君が好きだよ? この気持ちを伝えたら・・・どうする? そんな事を考えながら、演奏を聴いていた。