ネットの世界は好きだ。
顔も見た事ない人と、仲良く話せる事が不思議で面白いし、
何より、緊張しない。
人見知りの自分には丁度良い世界だった。

だからこそ、現実はネットに入り込めないし、ネットは現実にならない。

パソコンの向こうの友達が、実際に居るなんて考えられなかった。
だから、オフ会などの誘いもパッと来ず、ただ夜の同じ時間に出会ってお話しする。
それだけで良かった。

ネットの中の自分を知られたくなくて、クラスメイトには無暗にアカウントなど教えていないし、そういう話も控えてた……はず。

だから瀬野が知る筈もない。