「・・・」
「・・・」
沈黙に耐えられなくなった野中くんが
口を開いた。
「い、いーんちょー兄弟とかいんの?」
「いません」
「いつも何してんの?」
「日常生活ですけど」
ただ淡々と続く会話。
「なんで委員長やってんの?」
「憧れだったからです」
「ねえ、委員長」
「はい?」
「俺のこと・・好き?」
「あまり好きでは・・」
私が答え終わる前に野中くんが私の
肩をつかんだ
「・・・俺は好き」
「軽々しくそういうことは
言わないほうがいいかと思います」
「つきあってよ、いーんちょー?」
耳元で囁いて生暖かい息が耳にかかる。
急に野中くんの手がギュッと私の胸をつかんだ
唇が触れ合う。初めての感触。
こんな風にファーストキスを失ってしまうなんて。
シャツの下から手を入れられ胸に直に触れる
急に体の芯が火照って体の奥がキューっとなる
「あっ・・やっ」
私の口から想像もできない声が漏れて
あわてて口を自分の手でふさぐ。
「あれ?いーんちょー感じてんじゃん」
そう言って野中くんが笑った。
頭がカーっと熱くなる。
「こんなことしてっ責任とれるんですか!?」
進路希望の紙を押し付けてばたばたと
野中君の部屋をでた。
ドアがバタンとしまった瞬間。
その場に座り込んでしまった。
ありえない程に鼓動がうるさい。
顔が熱くて手足が震える。
今までに感じたことのない気持ち・・

