「じゃあこれでショートホームルームを
終わる。そうだ、浜塚はこの後職員室まで
来てくれないか」

「はい」

そういえば申し遅れました。私の名前は
浜塚 華音。(はまつか かのん)
名前とは似つかない見た目で
申し訳ないけど。

職員室に行くと熊先生の机から熊先生が
にこにこと手招きしている。
ただ毛で顔が見えないので
にこにこしているかは推測でしかないけど。

「浜塚ー悪いんだがな、野中にこれ
渡しておいてくれないか?
さっきの時間に渡す予定だったんだが
教室に持っていくの忘れてて、、」

手渡された紙を見る。

「これって・・・進路調査票ですか?」

「そうそう、あいつまだ出してないから」

「これ、私が渡さなければいけませんか?」

「いや、、何か嫌なのか?」

・・嫌にきまってるじゃないか。
心の中でぼそっとつぶやく

「いえ特に理由はないのですが
ただ、できればお断りしたくて」

「困ったなあ~頼むよ浜塚~」

頼まれると断れないのが私の欠点だ。
仕方なくその紙切れをもらって職員室をあとにした。
どうせあんな奴が大学なんていけるはずないのに。
紙代と労力の無駄だ。