小鳥たちが通う三鐘学園は自由な校風が有名な名門校。

某有名大学の進学率が高かったり、OBに政治家が多かったり。

だがスポーツ面ではほぼ無名だった。

そんな三鐘学園がスポーツでも知られるようになったのは、大将が県大会で優勝した時だった。

もともと大将は中学の頃から地区大会で優勝を納める実力があったが、高校陸上会で三鐘学園の生徒が優勝するとは誰も思わなかったようで、一時は新聞にも載るような大騒ぎになった。

次に、背が高いからと言う単純な理由でレギュラーに選ばれた小鳥と悠里が大活躍したバレー部が、全国大会でまさかのベスト20に入った。

三鐘学園のバレー部は、インターハイはもちろん、春の大会も地区大会でさえ一勝出来るかどうかというレベルだった。

それがいきなり全国大会のベスト20になってしまったから、それはそれは大騒ぎになり、一時は地方テレビ局が取材に来たり新聞に何度も取り上げられたりと大変だった。

でもそれは、偶然にも小鳥達の学年にバレー部経験者が多くて、中学の大会でよく顔を会わせていたから最初からすんなりチームになれただけの話だった。

でもどんな理由であれ三鐘学園の快挙には違いなく、あの時から小鳥と大将は一気に有名になっていった。