「送ろうか?」

「大丈夫♪
ありがとう、駿ちゃん。」

駿は心配そうに小鳥を見つめたが、すぐに優しい微笑みを浮かべた。

「帰ったらゆっくり休むんだよ?」

「はーい。
じゃあね、駿ちゃん。
色々ありがとう♪」

小鳥達は保健室を出て下駄箱に向かった。

「それにしてもヒロは冷たいよね。
こんな時くらい見舞いに来てくれても良いのに…」

小鳥の拗ねたような呟きに、美魅と璃里は顔を見合わせた。

「「小鳥ちゃん、覚えてないの?」」

「何が?」

「小鳥ちゃんを運んだのは、ヒロくんだよ?」

「ずっと側に居たんだよ、ひーくん。」

「…えっ?」

「「…言ったらマズかった?」」

「えー!?」

小鳥の叫び声が廊下に響き渡った。

夏本番、微妙な気持ちで夏休みを迎えることになった7月だった。