「いきなり何すんのよ!!」

小鳥が焦って立ち上がると、大将は急に不機嫌そうに睨んだ。

「それは俺の台詞だ!
立ち聞きしてんじゃねーよ…」

大将はばつが悪そうに目を反らしながら言った。

「なによ…
これでも気を使ってやったんじゃない…」

小鳥も気まずそうにうつ向いた。

「…可愛い子だったじゃない…」

「だからなんだよ…」

「だから…
断るにしても、もう少し言い方があるでしょって事!」

「はぁ?
なんでお前にそんな事言われなきゃいけないんだよ!?」

大将はそう言うと、小鳥を睨み付けてから空き教室を出ていった。

「…あぁもう!!」

小鳥は残された怒りと、訳がわからないモヤモヤした気持ちを振り払うように叫ぶと、空き教室を出た。

「ヒロのバカちん!!」

とっくに大将の姿が見えなくなった廊下に向かって叫ぶと、小鳥はふーっと息を吐き出してから歩きだした。