あんなやつ大嫌い

「先生…」

生徒達の悲しそうな顔を見て、駿は優しく微笑んだ。

「もしあなた達が誰かと喧嘩したとしましょう。
誰かに和解させてもらったとき、それは本心で仲直りしたと思いますか?
心のどこかに引っかかりは残っていませんか?
そのあと、その引っかかりは大きな裂け目に変わりませんか?」

駿の諭すような言葉に、全員がうつ向いたまま黙っていた。

「僕も全員が仲が良いのが一番だと思います。
でもそれは心の底から思い合っていないと意味がないと思うんです。
だから、瀬川さん達が言った言葉が答えだと思います。」

「でも…」

それでも食い下がるような視線を向ける生徒達に、駿は優しく微笑みかけた。

「あなた達は、姉宮さんと斎藤くん…
それぞれバラバラに好きだったはずですよね?」

進路指導室に集まっていたのは、クラス発表の日に揉めるほど小鳥と大将に心酔していたメンバーだった。

派閥抗争の度に中心となっていた生徒達が集まっている。

「なぜこのメンバーで協力し合おうと思えたんですか?」