異常なほどの扱いにうんざりしていたのは大将も同じだったようで、最近はいつにも増して機嫌が悪い。

そんな機嫌の悪さも手伝って、小鳥と大将の仲は一向に縮まる気配がない。

「美魅ちゃん、璃里ちゃん、どうしたらいいのかなぁ…」

小鳥と大将が校外掃除当番で教室を離れていた放課後。

クラスメイト達は思いつめた表情で美魅と璃里を取り囲んでいた。

「「どうって？」」

相変わらず興味無さげに言う二人に、クラスメイトはため息を付きながらも引き下がらなかった。

「姉様と大将が仲直りする方法の事！」

「「あぁ…」」

美魅と璃里は心底面倒くさそうに言った。

「真面目に考えてよ…
美魅ちゃんと璃里ちゃんだって二人は仲が良い方が良いでしょ？」

「「べつに…」」

周りの生徒が必死な中、机の下で密かに本を読んでいた美魅と璃里の姿に、全員唖然と目を見開いた。

「美魅ちゃん！？」「璃里ちゃん！！」

クラスメイトは怒ったような呆れたような声で言った。