「美魅、璃里!」

少し前を歩く美魅と璃里の後ろ姿に、小鳥はわざとらしく声をかけてから輪を抜けた。

ゆっくり振り返った美魅と璃里は不思議そうに首をかしげた。

「「姉様、何かご用ですか?」」

その言葉に小鳥はピタリと立ち止まり、大きなため息をついた。

「やめてよ二人まで『姉様』なんて…
病気になりそうだよ…」

小鳥が困ったように言うと、美魅と璃里はクスリと笑った。

「小鳥ちゃん、大変そうだね。」

「大変そうだね、小鳥ちゃん。」

「一年生からは、王子様だと慕われ…」

「二年生からは、お姫様だと慕われ…」

「「三年生からは、神扱い?」」

相変わらずのユニゾンに、小鳥は苦笑いを浮かべた。