「…姉様っ…」

第四走者の時点で、一位は青、二位は白、三位が赤だった。

「任せて!」

バトンを受け取ると、小鳥は全力で走り出した。

白の悠里が青を抜き、続いて小鳥も青を抜いた。

「姉様ー♪」

「頑張ってくださーい!」

「悠里先輩頑張ってー!」

アンカーに近づくにつれて歓声が大きくなる。

あと一歩で悠里を抜けそうなのに、その一歩分が大きかった。

最後のカーブでようやく悠里を捕らえたが、抜くことが出来なかった。

「…ヒロっ、ごめん…」

ほぼ横並びで青と赤のアンカーにバトンが渡った。

「任せろっ!
絶対勝つ!!」

そう言うと、大将はニヤリと笑いながら走り出した。

小鳥は上がった息も忘れて見惚れてしまった。