「璃里、ただいま。」

「美魅、おかえり。」

小鳥を連れた美魅が戻ってくると、璃里は嬉しそうに目を細めた。

「ヒロくんは?」

「リレー、行っちゃった。」

「だって。」

璃里の答えに美魅が小鳥を見ると、小鳥は気まずそうに視線を反らした。

「早く脱いで行きなよ。」

美魅は小鳥の長ランを脱がすと、小鳥の背中を軽く押した。

「「頑張ってね。」」

美魅と璃里の無表情な応援に、小鳥は苦笑いを浮かべながら入場ゲートに向かった。

入場ゲートには、各組の代表が集まっていた。

その中に、青組の団長と談笑している大将がいた。

小鳥は逃げるように視線を反らして、白組の仲間といた悠里に駆け寄った。

「何、どうしたの?」

「…なんでもない。」

そう言いながら悠里に抱きついた小鳥は、悠里の肩に顔を埋めた。