あんなやつ大嫌い

「あれ?
小鳥ちゃんは?」

校庭に戻ってきたヒロを捕まえた美魅は、不思議そうに辺りを見回した。

「…昼飯食った木の下。」

「…固まっちゃった?」

美魅の言葉に、大将は驚いたように目を見開いた。

「お前何か知ってるのか?」

「知らない。
見ただけ。」

「何を?」

「体育祭委員が、大将のお題をすり替えたところ。
『一番好きな人』ってカードに。」

大将は絶句しながら項垂れた。

「…出来れば止めて欲しかった。」

「…面倒だったから。」

美魅の言葉に大将は大きくため息をついた。

「怒るなら…」

「分かってる。
体育祭終わったらな…」

大将の目が怒りに輝いていた。