「着いたぞ。」

柔らかい明りが灯る家の前で、三人は自転車を止めた。

「ありがとうひーくん。」

「ヒロくんありがとう。」

大将は美魅と璃里を見つめながらため息をついた。

「…じゃあな。」

大将はそのまま門を開けて自転車を押しながら入っていった。

「また明日、小鳥ちゃん。」

「小鳥ちゃん、また明日。」

璃里が門を開け、美魅が自転車を押しながら二人は中に入っていった。

「また明日。」

小鳥も門を開けて、自転車を押しながら入った。

そして玄関が開いて、ガチャンと閉まった。

並んだ三軒から、夕食の香りが漂ってきた。