あんなやつ大嫌い

小鳥は目を見開き、言葉が出なかった。

大将は小鳥を見つめると、小さくため息をついた。

「…だから見せたくなかったんだ。」

小鳥はゆっくりと視線を上げて大将を見つめた。

「こんな風に伝えるつもりじゃなかったんだ…」

大将の気まずそうな表情に、小鳥は戸惑いながらカードを見つめ直した。

「ヒロ…
これって…
本当に…?」

小鳥の困惑した表情に、大将は困ったように微笑んだ。

「悪い!!
こうなると思ったから言えなかったんだ…」

「ヒロ…」

「でも、考えてほしい…
こんな形になったけど、俺は本気だから。
だから、考えてみて欲しい。」

大将が真っ直ぐ小鳥を見つめる程に、小鳥は自分が小さくなるように感じた。

「俺は、小鳥が好きだから。
とりあえずそれだけだから…
俺は先に戻るな…?」

大将はそう言うと、校庭に戻って行った。

小鳥は力が抜けたように座り込んで、静かに空を見つめていた。