あんなやつ大嫌い

「ヒロくんの勝負所…」

美魅の呟きに、小鳥は不思議そうに首をかしげた。

「ヒロはどうしちゃったわけ?」

「悩んでる、すごく。」

「すごく、悩んでる。」

「「そして、こっちに来る。」」

美魅と璃里が指差した先を見ると、意を決したような顔の大将が小鳥に向かって歩いてきていた。

「…来てくれ。」

「はっ?」

「良いから来てくれ!」

「…お題は?」

「黙って来てくれ…」

大将に腕を捕まれて、訳が分からないまま小鳥は大将について走り出した。

そのままゴールテープを切り、見事一位になった。

「それでは、一位になった斉藤団長にお題を発表して頂きましょう♪」

「はぁ!?
お題発表すんのかよ!?」

「しますよ?
内容が合ってるか確認もしないといけませんから♪」

そう言って、大将の手の中のカードは放送部に奪われてしまった。

「はい、えーっとお題は…
えー!!??」

突然の叫び声に、スピーカーから甲高いハウリングが校庭に響きわたり、全員が慌てて耳を塞いだ。

「えっ…
あの…
その…」

放送部は挙動不審に大将を見つめた。