あんなやつ大嫌い

「選手宣誓。
各組の団長は前に出てください。」

刈谷の仕切りで行われた開会式は、最後の選手宣誓を告げた。

「ヒロ、ぶちかますのよ♪」

「任せとけ！」

小鳥の後押しにガッツポーズで応えた大将は、堂々と歩き出した。

各組の異常な盛り上がりの中送り出された団長達は、異様なテンションを冷ますくらいかっこよく見えた。

「選手宣誓！
我々選手一同は…」

最初に言ったのは悠里が所属している白組の団長。

「スポーツマンシップに則り…」

次はバスケ部部長で女子人気の高い青組の団長。

「正々堂々…
敵を叩き潰すと、ここに誓います！！」

最後を締めた大将の聞きようによってはヤバイ発言が、全員の士気を一気に高め校庭には叫び声にも似た声が響き渡った。

「大将に任せるんじゃなかった…」

駿の後悔は誰一人聞こえていなかった。