「「じゃあ仲直りしたんだ?」」

「うん。
ごめんね、心配かけて。」

翌日、心配してくれくれたのか美魅と璃里が小鳥を訪ねてきてくれた。

「「まあ、仲直りしたなら良いけど。」」

「ありがとう。」

少し恥ずかしい気もしたが、小鳥は素直に微笑んだ。

「それにしてもヒロくんって…」

「ひーくんってそれにしても…」

「「迷惑な子だね。」」

美魅と璃里の呆れたような声に、小鳥は楽しそうに笑った。

「小鳥、そろそろ行くぞ…
って、美魅と璃里も居たのか。」

「「…お迎え?」」

美魅と璃里が少し驚いたように目を見開くと、大将が苦笑いを浮かべながら頷いた。

「私の足が治るまでの期限付きでね♪」

大将なりのお詫びの気持ちもあったのだろうが、どこか小鳥も大将も嬉しそうだった。

「部活行くんだろ?
早く行くぞ。」

「ちょっと待ってよ。
美魅と璃里も行こ♪」

暑い夏の日。

散々遠回りして、ようやく仲直りした夏休みだった。