「あまり無理をするな」
じたばたするレインを諫めるように、重々しい口調で彼は言う。
「お前はなにをするにも過剰過ぎる。
いいんだ、別に泣いたって。
泣き虫は嫌いだが、たかが数回泣かれた程度でお前を嫌いにはならないよ」
「………でも」
「あまり感情を殺し過ぎると本気で無感動になるぞ。
俺は泣き虫より廃人の方が嫌いだ。
ついでに、お前がいなくなったら誰が俺に紅茶を淹れるんだ」
「………っ」
言葉が出ない。
堪えていた悲しさと今しがた向けられた言葉の嬉しさが交ざりあって、溢れた雫が一気に決壊した。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
「泣け泣け。
そのまま涙で溺れてしまえ」
「し、死んでしまいますよ」
「死ぬ前に俺が引き上げるさ」


