それでもりかこは、何もなかったかのように席に着く。
そして、自分の席に無残に刺さった彫刻刀を抜いた。
りかこの生活は、予想以上に荒れたものだった。
授業中も、りかこには消しゴムのカスなどがぶつけられ、
プリントはりかこのところだけ飛ばされる。
まるでいないか、ゴミ箱のように扱われる始末である。
放課になると、りかこは一人教室の隅の机にほおずえをつき
たった一人で窓の外を眺めていた。
りかこ、君の目には何が写っているのだろうか?
その瞳の中に、光はさしているのだろうか?
俺がもしも生きていたら、
りかこの為にダンスで勇気づけることができたかもしれない。
でも、踊ることを奪われた俺には何もできない。
りかこを困らせることしかできない。


