大学を出たばかりの原田は、あたし達とあまり変わらない青臭い若さがある。


それなのに、テレビの『なつかしの名場面』でやるような、昭和ドラマのワンシーンみたいな台詞を、ぺらぺらと並べる。



どんなに素晴らしい言葉でも自分の器に盛りきれていなければ意味がない。


その言葉は誰にも届かない。

死んでいるのも同然だ。