少しずつ、近づくと影は二人の人間であることがわかり

その内の一人は母であることも、わかった。

あたしは、ごくりと喉を鳴らし、ぐっとあごを引いて、姿勢を正した。


あたしは、ここにいると決めた。

ここで生きたいと思っている。

だから、もう…逃げない。

母にとって、あたしがどんな存在なのか、ちゃんと母の言葉で聞きたい。