「これなら、風に吹かれても絶対、倒れない。コスモスはここで咲きたかったんだ」


詩音の目には、知りたかったことをやっと知れた、喜びがあふれていた。

詩音の悠々とした姿を見ていれば、あたしの役目は終わったのだと、納得するしかない。

寂しい…

でも、その本音を詩音に伝える気はない。

詩音の、通りすがりのきっかけになれたことを、嬉しく思う。

詩音の笑顔を知れただけで、あたしは生きていてよかったと思う。



詩音に会えて、よかった。