突然、詩音がしゃがみ地面に散らばっている何かを広い集めた。

「何?」

「これさ、この間のポテトのお金。借りたままだったから」

オレンジジュースはサービスだったよね?

どこまでも律儀な詩音にあたしもなじむように、そうだよと真剣に答え、お金を受けとった。


いつの間にか、詩音の不思議な感性を不思議と思わないあたしがいる。

詩音の言葉や気持ち、物の考え方は

人とは比べられないほど素直でまっすぐで、誰にも真似できないものなんだと思う。