しかし、横から見たその人は父ではなかった。

背格好は本当によく似ていたのに、顔はまったく知らない、別人だった。


ほっとしたようでいて、余計にショックだったりもする。


母とその男性は、そのままどこかへ歩いて行き、あたしの視界から消えた。

もう、後を追う気もその理由もない。