松田さんのこと、好きだし。


「……」


あたしはゆっくり、その手を握る。


「ありがとう」


松田さんはあたしのこと、好きなのかな?

妹みたいな感じかな?

彼女として?


…… 絶対、妹だな。


「松田さんって、お仕事は何をしているんですか?」


今まで気になっていたけど、蔑(ナイガシ)ろになっていた。

なんとなく…… いまなら、教えて貰えると思ったんだけど。


「紗雪ちゃんは知らないの?」


「はい、お姉ちゃんからも聞いてないです」


お姉ちゃんなんて“陽斗くんに聞きなー”って言って教えてくれなかった。

だから、あたしには松田さんから聞くしか残ってないんだ。