松田さんを部屋に招き入れた。


「座って待っていてください」


「いや、俺がやるよ。 紗雪ちゃんは座っていな」


そう言って松田さんはそそくさとキッチンに入っていく。


「冷蔵庫、開けるよ」


「はいっ」


ちょ、お客さんになに料理してもらっているの!

あたしが本当なら、やらなきゃいけないのに。


あたしも後を追うようにしてキッチンに向かう。


「あのっ!」


「簡単だけど…… パスタでいい? 野菜があったから、勝手に使わせてもらうから」


「はい……」



もう…… なんでもしてください。


「あたし、向こうにいるんで…… 何かあったら呼んでください」


「ちょっと待っていてね、すぐに作るから」


腕まくりまでして…… 松田さんはもう、すごいやる気だ。

あたしはそんな後ろ姿をただ、眺める。


テキパキ動くその姿に…… あたしはただ、目を奪われる。