「せっかくだから、行ってきな」


「はーい」


お姉ちゃんに、あたしの気持ちはばれている。

だからこうやってケーキを用意してきてくれたんだ。


「陽斗くんは優しいし、気が利くからオススメだよー」


気持ちがばれているのは、わかるけど……。

できればおとなしくしていてほしいのが、本音だ。


「ほら、陽斗くんって見た目から“優しい”って伝わるでしょ?」


「わかるよ」


「紗雪が陽斗くんをねー……」


“ふふふっ”と意味ありげに笑いながら、ケーキを美味しそうに食べるお姉ちゃんには、あたしは敵わない。


「お姉ちゃん、彼氏つくらないの」


「紗雪が陽斗くんと付き合うようになったら、つくる」


「……」


「それまでは、いーらないっ」


それはあたしが松田さんに“好き”っていわなきゃいけないのか……。


告白、か。

夢のような話しだ。