玄関で松田さんと別れ、あたしは部屋に入る。


「お姉ちゃん!!」


「んー、なーにー。 紗雪」


間伸びしたお姉ちゃんの返事に力が抜ける。

のんきにリビングに座り、あたしが買い置きしておいたプリンを食べている。

あたしのプリン…… まだ一口も食べていなかったのに。

って、プリンじゃない!!


「明日のあたしのお泊まりってどういうこと?」


「えー、そのまんまだけど? なに、嫌だった?」


そう言って、またプリンを口に運ぶ。

フーっと、一息ついてお姉ちゃんがゆっくり話し出す。


「紗雪さ、ここ最近、陽斗くんとゆっくり過ごしていないでしょ? だから、せっかくだから二人でゆっくり過ごせばいいって思ったの」


「お姉ちゃんは明日、どうするの?」


あたしは松田さんのとこに行くのはわかった。

けど、その間、お姉ちゃんは何をしているんだろう。

この部屋に一人なのかな?


「あー、あたしは久しぶりに知り合いのとこに行ってこようかな? 最近、忙しくて会ってなかったら。 仕事はそこから行くから気にしないで」