松田さんと付き合うことに反対派していなかったよかったけど……。


「どこの誰だがわからないような男だったら、それなりに厳しい門限を決めようとは思っているけど…… 陽斗くんでしょ? 陽斗くんなら安心して紗雪を任せられるからあまり気にしなくていいのよ」


「でも……」


松田さんはお姉ちゃんのことまで考えてくれて優しいなー、なんて考えつつ二人の会話をおとなしく聞いていたら、お姉ちゃんがニヤッと笑った。


「きちんと連絡をくれるなら、お泊りだっていいわよー。 お隣りだしね」


「えぇ!! そこまでいいんですか」


まさかのお泊りもOK発言に松田さんは驚きを隠せないでいる。

まぁ、松田さんだけじゃなくてあたしも驚いてはいるけど……。


「…… 本当にお泊りもいいんですか?」


改めて松田さんが聞き返す。

そりゃ、急にお泊まりだもんね…… お泊り。

松田さんと過ごす一晩って…… 楽しそう。


お姉ちゃんは楽しそうな顔をしてお泊りをOKした。


「陽斗くんは紗雪のことを任せられるし……」


一回、お姉ちゃんがここで言葉を切る。

あたしを松田さんをゆっくり見比べた。

そしてお姉ちゃんは何かおもしろいことを考えついたのか再び、ニヤッと笑った―――。


「なんなら、明日、紗雪を陽斗くんのとこに泊まらせてやってよ」


ほら、お姉ちゃんはとんでもないことを急に言い出した。