妬いたことは事実だけど、そこまで言わなくても……。


「紗雪ちゃんってそういった表情をあまり俺に見せないでしょう? だから、嬉しいんだよ」


「ヤキモチくらい…… あたしだって、妬きます」


松田さんはどうしてもお仕事がある。

そのとき、たくさんの人と関わるからその時、綺麗なお姉さんとか絶対いると思う。

そんなお姉さんたちに、あたしは叶わない……。

容姿においても、全て―――。

見えない相手だからこそ、不安になってしまうんだ。


「俺だってそうだよ」


「松田さんも?」


「そうだよ。

紗雪ちゃんは学生で、俺は社会人。 学生のように学校で毎日会えるって関係じゃないし、年齢だって紗雪ちゃんとは少し離れているからね」


歳の差―――。

気にしないと言ったら、嘘になる。

そこは少し気になるとこでもある。

大人になれば、これくらいの歳の差なんて些細なこと何だろうけど……。


「紗雪ちゃんはかわいいから、同級生に持って行かれそうだよ」


松田さんが少しだけ頼りない顔をした。