松田さんはやっぱり、お仕事が忙しかった。

なので、ここ数日は会うこともできず…… 電話すらできない日々だった。

しかし、毎日届くメールは夜中だったり早朝だったりしていたのでその時間は仕事場にいたのだと思う。

帰ってくるのも、家を出ていく時間も、正直分からない日々が何日も続いた。


「紗雪ちゃーん、明日香ちゃーん。 もう、時間だから上がっていいよー」


「はーい」


午後からの当番の子が来たので、少し早く上がることができた。

明日香とエプロンを脱ぎ、引き継ぎのために、控え室にやってきた。

引き継ぎは簡単に済まし、あたしはカバンからケータイを取り出す。

ピンクにケータイが光っている――― メールが来ている証拠だ。

少し、期待を込めて、そのメールを開く。


【1:00前には、校門前につくから―――】


自分でもわかるほど、顔が緩んでいるのがわかる。

やった、久しぶりに松田さんに会える。

いつぶりだろう?

1週間?

2週間?

もう、何日ぶりでもいいや。

やっと、松田さんに会えるんだもん。


1:00まで、あと30分ほどある。

どうしよう、少しはメイク直せるかな?

服装は…… 大丈夫かな?