チョコ、グミ、アメ、プリン……。

どのおやつもあたしがお姉ちゃんと来た時に買ったりするものや、前から気になっていたおやつまで入っている。


「どうして知っているんですか?」


「そりゃ……」


店長さんはあたしに背中を向けているから表情はわからないが、楽しそうに笑うその声と、少しだけ小刻みに揺れている肩からなんとなく、どんな表情をしているかわかる。


「上の住人は少しならわかるからねー、毎日階段かを上り下りしている人は大抵覚えるよ。 それに、紗雪ちゃんはこの上でひとり暮らしをするにはちょっと難しい場所だからね。 だから“誰かと一緒なのかな?”って越してきた当初、思っていたんだよ」


このマンションはあたしのような大学生がひとり暮らしをするようなとこじゃない。

2人で住んだり、社会人の人が住むような場所だからだ。

お姉ちゃんがこのマンションを決めたのは、あたしの進学先がこのマンションの最寄駅が志望校の中でどこも中間地点であったことと…… このコンビニだ。

あたしと住む前は、帰りが遅くなたときはコンビニを活用していたみたい。