お会計は…… 有無もいわさずに松田さんが払ってくれた。


「ごちそうさまです」


「もう、それ!! 何回も聞いているから」


やや、呆れ気味に松田さんは笑う。


そんな松田さんと肩を並べてあたしたちは夜の散歩をすることにした。


「この辺さ、公園あるんだよ。 知っていた?」


さっきのラーメン屋さんから少し離れたとこ。

細い道を通り向けると……。


公園が見えてきた。


「詳しいんですね」


「ここら辺に俺の上司の家があるんだ。 この間、家に呼ばれて行ってきてさ、見つけたんだ」


大きくない公園だけど、滑り台やブランコがある。

あたしは一目散にブランコに乗った。


ユラユラ揺らしていると……。


「そーれっ!!」


「わぁ!」


強く背中を松田さんに押された。


急に高くあがり、きゅっと強く握る。


「ほらー、もっと高くなるよ!」


「やー!! 怖いですよー!!」


夜の公園には、あたしと松田さんの声が響き渡る―――。