軽快なチャイムが鳴った。

相手は誰かなんて確認しなくたって分かる。


バタバタ走って、玄関を開ける。


「こんばんは!!」


玄関を勢いよく開けると、目の前の人は突然眉をしかめた。


「こらっ、確認もしないで玄関を開けない!!」


「ご、こめんなさい。 次は気をつけます」


「約束だからね。 紗雪ちゃん」


「はい」


松田さんがやってきた。


今日は松田さんとデートの日。

あたしはまだ、夏休みだけど、今日は松田さんがお仕事だった。

お昼頃、松田さんから……。


【早く帰れそうなんだけど、夕食でもどう?】


こんな飛び上がる程嬉しいメールをもらった。


お姉ちゃんに夕ご飯を松田さんと食べたい、食べたいアピールをするメールを送って許可を得て、松田さんにOKの返事をして…… 今に至る。


「準備はいい?」


「はいっ、大丈夫です」


松田さんのお仕事が終わったら、あたしの部屋に来てくれることになっていた。

いつ、松田さんが来てくれるか楽しみに待っていたんだ。


玄関にカギをかけて松田さんの後ろを追う。