あまりお姉ちゃんはお隣りさん――― 松田さんをよく思っていないのは明白だ。
「紗雪がこのマンションに来てからずっとだよね?」
「そうだね」
「紗雪はカワイイんだから、学校帰りは暗くなる前に帰ってきてね」
隣に座るお姉ちゃんに頭をくしゃくしゃっと撫でられた。
「んもー、お姉ちゃんに“カワイイ”なんて言われたって嬉しくないよ。 お姉ちゃんの方が“キレイ”だし“カワイイ”んだから」
「紗雪はわかってないなー。 あたしの妹なんだから紗雪は“カワイイ”の!」
もうっ、お姉ちゃんの言っていることがよくわからないっ!
でも、こうやってお姉ちゃんと過ごす時間は嫌いじゃない。
「紗雪、今日ってすること無いの?」
あたしがさっきあげたコーヒーを飲みなが、お姉ちゃんがあたしに聞く。
「今日はもう用事無いよ」
お昼を少し過ぎた、今日は天気も良くてお出かけ日和。