松田さんがせっかく隣にいるのに、楽しくない。

楽しくなーい!!


「陽斗くーん。 頑張るなら今よー」


もうっ、さっきからお姉ちゃんと松田さんばっかり分かる話で、それもまた楽しくない。


「あぁぁぁ!!」


急に起きあがったと思ったら……。


「紗雪ちゃんッッ!!」


「はいッッ!!」


名前を呼ばれ、なぜかあたしは正座で松田さんに向き合う。

松田さんは松田さんで、正座だし……。


なんなんだろう、あたしたち。


膝の上で握り拳を作っている、松田さんが力強く再び、ギュッと握った。


「紗雪ちゃん」


「はい」


松田さんの態度から、なぜかあたしまで緊張してしまう。